「赤ちゃんって天使みたいだよね♡」
……そんな言葉、当時の我が家には一切存在しませんでした。
だってうちは、
天使×3 = 生き地獄(かわいいけど!)の日々
だったからです。
三つ子を出産し、退院の日、帰ってきたのは母の魂が抜けた姿…。
出産で全エネルギーを使い果たし疲れ切っていたのです。
久々に母の友人が顔を見たとき、あまりの変貌に固まったとか。
「え…ほんとに〇〇ちゃん…?」
声すらかけられないレベルだったらしい。
当時の写真を見ると、本当にガリガリ。
もはや「モデルのビフォーアフター」を通り越して、”別人オブ別人”。
お母さん、頑張ってくれてありがとう!
夜中、三人が同時に泣き始めても、母はまったく動かない。
ピクリともせず、静かに爆睡。
え?なんで?
母いわく→ ただの電池切れでした。
意識がどこか遠くへ旅していたんでしょう。
もう瀕死を超えて一周回って悟りの境地。
その頃、父はひとりで修行僧。
夜間の授乳・オムツは父がワンオペ。
「赤ちゃん一人でも大変でしょ?」
→ うち?三倍どころか、体感 五倍。
はい、冬は特に地獄です。
当時の父の育児装備:根性+知恵+タオルのみ。
冷たいミルク、冷たい手、深夜3時の精神力。
哺乳瓶にタオルを巻き、片手で赤ちゃんを抱っこし、さらにもう一人にミルクをあげ、三人目にはタオルで固定したミルクをあげる!
なんとか乗り切る父!
無給でスキルアップしていく、謎のプロフェッショナル。
母が眠り続けるのが心配すぎて、父は夜中にそっと母の鼻の下へ手を当てて呼吸チェック。
「……生きてる(ほっ)」
これを数時間おきにやる父。
次の日は普通に会社へGO。
「いつ寝てたの?」と聞くと、
「んー…わからないな。気づいたら朝で、会社にいた。」
もはやタイムリープの域。
時空を超えて育児してたのかもしれない。
父 頑張った!
当時の両親には
“無我夢中”の言葉が一番しっくりきます。
記憶があいまいになるほど必死だけど、
その中で家族みんなが支え合っていたことだけは、今もはっきり覚えています。
